奥会津編み組細工について

奥会津編み組細工について

奥会津編み組細工は、奥会津地方の山間部で採取されるヒロロ、山ブドウやマタタビなどの植物を素材とする編み組細工で、山間地における積雪期の手仕事として、日常の生活に用いる籠や笊などが伝承されてきました。
福島県大沼郡三島町を主な産地とし、ヒロロ、山ブドウ、マタタビ素材とした手さげ籠、抱え籠、肩かけ籠・菓子器・炊事用具などが作られています。自然素材を用いた堅牢で素朴な手編みの良さが特徴です。
地域に住み続けている高齢者を中心に一つ一つ丁寧に制作しています。

編み組細工の材料

「山ブドウ」→「ヒロロ」→「マタタビ」→「モワダ」→「アカソ」

いにしえより受け継がれた編み組の技

奥会津編み組細工の歴史は縄文時代までさかのぼることが出来ます。荒屋敷(あらやしき)遺跡[縄文晩期(2500年前)]からは縄や各種編組等の約1万点の籠類遺物が出土しています。これらの編組品の技法は、親から子へと伝承されて現在に至っています。
奥会津編み組細工は縄文の文化を継承している工芸品です。

山ブドウ細工

山中での厳しい作業に耐える頑丈な籠としてつくられてきました。材料となる山ブドウの皮は、栗の花の咲く6月頃に採取する一枚皮が原材料とされます。材料が強靭であり、用途により異なった編みの技法により、手さげ籠・抱え籠・菓子器などが作られます。

マタタビ細工

一本の蔓から伸びる肉厚の成熟した1m~3mの枝を材料とし、水切れが良く、しなやかな手触りの笊は野菜を洗ったり、米を研いだりする台所用品として使われてきました。編み終わると「寒晒し」することで強度を増します。

ヒロロ細工

野山で採取されたヒロロ(和名:ミヤマカンスゲ・オクノカンスゲ)を縄にして作られ、その縄を編み、手さげ籠、抱え籠、肩かけ籠などを作ります。編み目が細かく、レース編みのような仕上がりが特徴で素朴さの中にも独特の繊細さがあります。
山ブドウ細工・ヒロロ細工・マタタビ細工は平成15年に国の伝統的工芸品に指定されています。

その他の工芸品

奥会津編み組細工以外にも三島町では生活工芸品として、アケビ細工、ワラ細工、ガマ細工、木工細工、染織など多種多様な工芸品を取り扱っています。

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